Javaの基礎Java

Javaの基礎:標準クラスを解説(Math,Arrays)

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この記事では、java.langパッケージとjava.utilパッケージに含まれる主要なクラスの基本的な使い方を学びます。特に、Mathクラス、Arraysクラス、Objectクラス、Systemクラスに焦点を当て、具体的なコード例を通じてそれぞれの機能を解説します。

はじめに

この記事のコードをコピペしてEclipseで出力結果を確認してみよう

Javaを支える標準クラスの基本

Javaには多くの便利な標準クラスが用意されています。これらのクラスを活用することで、効率的にプログラムを開発できます。主な標準クラスには以下のようなものがあります:

  • Object – すべてのクラスの親クラス
  • String – 文字列を扱うクラス
  • Math – 数学的な計算を行うクラス
  • System – システムリソースにアクセスするクラス
  • Arrays – 配列を操作するユーティリティクラス

これらのクラスを適切に使用することで、プログラムの可読性と保守性が向上します。

java.langパッケージ

Object、String、Math、Systemクラスは java.lang パッケージに属しています。java.langパッケージは、Javaプログラミング言語の中核となるクラスを含んでおり、自動的にインポートされます。つまり、これらのクラスを使用する際に明示的なインポート文は不要です。

java.utilパッケージ

Arraysクラスは java.util パッケージに属しています。java.utilパッケージは、コレクションフレームワーク、イベントモデル、日付と時刻のファシリティ、国際化、様々なユーティリティクラスなどを含む汎用的なユーティリティクラスの集まりです。Arraysクラスは異なる扱いを受けているため、明示的なインポートが必要となります。

Mathクラスを使った計算

MathExample.java

Java
public class MathExample {
    public static void main(String[] args) {
        // 円の半径
        double radius = 5.0;

        // 円の面積を計算
        double area = Math.PI * Math.pow(radius, 2);

        // 結果を出力
        System.out.println("半径" + radius + "の円の面積は" + area + "です。");

        // 切り上げと切り捨て
        System.out.println("3.7の切り上げ: " + Math.ceil(3.7));
        System.out.println("3.7の切り捨て: " + Math.floor(3.7));
    }
}

出力結果:

半径5.0の円の面積は78.53981633974483です。
3.7の切り上げ: 4.0
3.7の切り捨て: 3.0

このプログラムでは、Mathクラスを使用して円の面積を計算し、数値の切り上げと切り捨てを行っています。Math.PIは円周率を、Math.pow()はべき乗を計算します。Math.ceil()Math.floor()はそれぞれ切り上げと切り捨てを行います。

MathExample.javaの解説

クラス定義

Java
public class MathExample {
    // ...
}

このコードは MathExample という名前の公開クラスを定義しています。

main メソッド

Java
public static void main(String[] args) {
    // ...
}

これはプログラムのエントリーポイントです。Javaプログラムの実行はここから始まります。

円の面積計算

Java
// 円の半径
double radius = 5.0;

// 円の面積を計算
double area = Math.PI * Math.pow(radius, 2);
  • radius 変数に円の半径として 5.0 を代入しています。
  • area 変数に円の面積を計算した結果を代入しています。
  • Math.PI は円周率πの値を表す定数です。
  • Math.pow(radius, 2) は radius の2乗を計算するメソッドです。

結果の出力

Java
System.out.println("半径" + radius + "の円の面積は" + area + "です。");

この行は計算結果をコンソールに出力します。

切り上げと切り捨て

Java
System.out.println("3.7の切り上げ: " + Math.ceil(3.7));
System.out.println("3.7の切り捨て: " + Math.floor(3.7));
  • Math.ceil() メソッドは引数の値を切り上げます。
  • Math.floor() メソッドは引数の値を切り捨てます。

これらの結果もコンソールに出力されます。

このコードは、Javaの Math クラスの様々なメソッドと定数を使用して、
数学的な計算を行い、その結果を表示する例を示しています。
円の面積計算、切り上げ、切り捨ての基本的な使用方法を学ぶことができます。

Arraysクラスを使った配列操作

ArraysExample.java

Java
import java.util.Arrays;

public class ArraysExample {
    public static void main(String[] args) {
        // 整数の配列を作成
        int[] numbers = {5, 2, 8, 1, 9};

        // 配列の内容を表示
        System.out.println("元の配列: " + Arrays.toString(numbers));

        // 配列をソート
        Arrays.sort(numbers);
        System.out.println("ソート後の配列: " + Arrays.toString(numbers));

        // 特定の値を検索
        int searchValue = 8;
        int index = Arrays.binarySearch(numbers, searchValue);
        if (index >= 0) {
            System.out.println(searchValue + "は配列の" + index + "番目にあります。");
        } else {
            System.out.println(searchValue + "は配列にありません。");
        }
    }
}

出力結果:

元の配列: [5, 2, 8, 1, 9]
ソート後の配列: [1, 2, 5, 8, 9]
8は配列の3番目にあります。

このプログラムでは、Arraysクラスを使用して配列の操作を行っています。Arrays.toString()は配列の内容を文字列として表示し、Arrays.sort()は配列をソートします。Arrays.binarySearch()は二分探索アルゴリズムを使用して配列内の要素を検索します。

ArraysExample.javaの解説

インポート文

Java
import java.util.Arrays;

この行は java.util.Arrays クラスをインポートしています。このクラスは配列を操作するための便利なメソッドを提供します。

クラス定義

Java
public class ArraysExample {
    // ...
}

ArraysExample という名前の公開クラスを定義しています。

main メソッド

Java
public static void main(String[] args) {
    // ...
}

これはプログラムのエントリーポイントです。

配列の作成

Java
int[] numbers = {5, 2, 8, 1, 9};

整数型の配列 numbers を作成し、初期値を設定しています。

配列の内容表示

Java
System.out.println("元の配列: " + Arrays.toString(numbers));

Arrays.toString() メソッドを使用して、配列の内容を文字列に変換し、コンソールに出力しています。

配列のソート

Java
Arrays.sort(numbers);
System.out.println("ソート後の配列: " + Arrays.toString(numbers));

Arrays.sort() メソッドを使用して配列を昇順にソートし、結果を出力しています。

二分探索

Java
int searchValue = 8;
int index = Arrays.binarySearch(numbers, searchValue);
  • searchValue に探索したい値を設定しています。
  • Arrays.binarySearch() メソッドを使用して、ソートされた配列内で searchValue を探索しています。

探索結果の処理

Java
if (index >= 0) {
    System.out.println(searchValue + "は配列の" + index + "番目にあります。");
} else {
    System.out.println(searchValue + "は配列にありません。");
}

二分探索の結果に基づいて、適切なメッセージを出力しています。※indexは0から始まります。よってindex0が「1」、index1が「2」、index2が「5」、index3が「8」です。

  • index >= 0 の場合、値が見つかったことを意味します。
  • それ以外の場合、値が見つからなかったことを意味します。

このコードは、Javaの Arrays クラスの主要なメソッドの使用例を示しています。
配列の作成、内容の表示、ソート、二分探索などの基本的な操作を学ぶことができます。
Arrays クラスを使用することで、配列の操作を効率的に行うことができます。

Objectクラスの例

ObjectExample.java

Java
public class ObjectExample {
    public static void main(String[] args) {
        // Objectクラスのインスタンスを作成
        Object obj1 = new Object();
        Object obj2 = new Object();

        // hashCode()メソッドを使用
        System.out.println("obj1のハッシュコード: " + obj1.hashCode());
        System.out.println("obj2のハッシュコード: " + obj2.hashCode());

        // equals()メソッドを使用
        System.out.println("obj1とobj2は等しい: " + obj1.equals(obj2));

        // toString()メソッドを使用
        System.out.println("obj1の文字列表現: " + obj1.toString());

        // getClass()メソッドを使用
        System.out.println("obj1のクラス: " + obj1.getClass().getName());
    }
}

出力結果:

obj1のハッシュコード: 523429237
obj2のハッシュコード: 424058530
obj1とobj2は等しい: false
obj1の文字列表現: java.lang.Object@1f32e575
obj1のクラス: java.lang.Object

この例では、Objectクラスの主要なメソッドを使用しています。hashCode()equals()toString()getClass()などのメソッドを呼び出して、Objectクラスの基本的な機能を示しています。

ObjectExample.javaの解説

クラス定義

Java
public class ObjectExample {
    // ...
}

ObjectExample という名前の公開クラスを定義しています。

main メソッド

Java
public static void main(String[] args) {
    // ...
}

これはプログラムのエントリーポイントです。

Object インスタンスの作成

Java
Object obj1 = new Object();
Object obj2 = new Object();

Object クラスの2つの異なるインスタンスを作成しています。Objectすべてのクラスの親クラスです。

hashCode() メソッド

Java
System.out.println("obj1のハッシュコード: " + obj1.hashCode());
System.out.println("obj2のハッシュコード: " + obj2.hashCode());

hashCode() メソッドを使用して、各オブジェクトのハッシュコードを取得し、出力しています。ハッシュコードはオブジェクトの一意の識別子として使用されます。

equals() メソッド

Java
System.out.println("obj1とobj2は等しい: " + obj1.equals(obj2));

equals() メソッドを使用して、2つのオブジェクトが等しいかどうかを比較しています。Object クラスのデフォルトの equals() メソッドは、オブジェクトの参照が同じかどうかを比較します。

toString() メソッド

Java
System.out.println("obj1の文字列表現: " + obj1.toString());

toString() メソッドを使用して、オブジェクトの文字列表現を取得し、出力しています。Object クラスのデフォルトの toString() メソッドは、クラス名と@記号、そしてハッシュコードの16進数表現を返します。

getClass() メソッド

Java
System.out.println("obj1のクラス: " + obj1.getClass().getName());

getClass() メソッドを使用して、オブジェクトのクラスを取得し、さらに getName() メソッドを呼び出してクラス名を取得しています。

このコードは、Javaの Object クラスの主要なメソッドの使用例を示しています。
hashCode(), equals(), toString(), getClass() などの基本的なメソッドの動作を学ぶことができます。
これらのメソッドは、すべてのJavaオブジェクトに共通の機能を提供し、多くの場合、サブクラスでオーバーライドされて特定の動作を実装します。
Object クラスの理解は、Javaのオブジェクト指向プログラミングの基礎として重要です。

Systemクラスの例

SystemExample.java

Java
public class SystemExample {
    public static void main(String[] args) {
        // 現在の時刻を取得(ミリ秒)
        long startTime = System.currentTimeMillis();

        // システムプロパティの取得
        String javaVersion = System.getProperty("java.version");
        String osName = System.getProperty("os.name");

        System.out.println("Java version: " + javaVersion);
        System.out.println("OS name: " + osName);

        // 環境変数の取得
        String path = System.getenv("PATH");
        System.out.println("PATH環境変数: " + path);

        // 標準出力と標準エラー出力
        System.out.println("これは標準出力です。");
        System.err.println("これは標準エラー出力です。");

        // プログラムの実行時間を計算
        long endTime = System.currentTimeMillis();
        System.out.println("実行時間: " + (endTime - startTime) + "ミリ秒");
    }
}

出力結果:

Java version: 21.0.2
OS name: Windows 11
PATH環境変数: C:/pleiades/2023-12/....
これは標準エラー出力です。
これは標準出力です。
実行時間: 10ミリ秒

この例では、Systemクラスの様々な機能を使用しています。現在時刻の取得、システムプロパティと環境変数の取得、標準出力と標準エラー出力の使用、プログラムの実行時間の計算などを行っています。

これらの例は、それぞれのクラスの基本的な使用方法を示しています。Stringクラスは文字列操作、Objectクラスはすべてのクラスの基本的な機能、Systemクラスはシステムリソースへのアクセスに使用されます。これらのクラスを適切に使用することで、より効率的で堅牢なJavaプログラムを作成することができます。

SystemExample.javaの解説

クラス定義

Java
public class SystemExample {
    // ...
}

SystemExample という名前の公開クラスを定義しています。

main メソッド

Java
public static void main(String[] args) {
    // ...
}

これはプログラムのエントリーポイントです。

現在時刻の取得

Java
long startTime = System.currentTimeMillis();

System.currentTimeMillis() メソッドを使用して、現在の時刻をミリ秒単位で取得しています。

システムプロパティの取得

Java
String javaVersion = System.getProperty("java.version");
String osName = System.getProperty("os.name");

System.out.println("Java version: " + javaVersion);
System.out.println("OS name: " + osName);

System.getProperty() メソッドを使用して、Javaのバージョンとオペレーティングシステムの名前を取得し、出力しています。

環境変数の取得

Java
String path = System.getenv("PATH");
System.out.println("PATH環境変数: " + path);

System.getenv() メソッドを使用して、PATH環境変数の値を取得し、出力しています。

標準出力と標準エラー出力

Java
System.out.println("これは標準出力です。");
System.err.println("これは標準エラー出力です。");
  • System.out.println() を使用して標準出力に出力しています。
  • System.err.println() を使用して標準エラー出力に出力しています。

プログラムの実行時間計算

Java
long endTime = System.currentTimeMillis();
System.out.println("実行時間: " + (endTime - startTime) + "ミリ秒");

プログラムの終了時刻を取得し、開始時刻との差を計算して実行時間を出力しています。

このコードは、Javaの System クラスの主要なメソッドの使用例を示しています。

  • 時間計測
  • システムプロパティの取得
  • 環境変数の取得
  • 標準出力と標準エラー出力の使用

これらの機能は、システム情報の取得、プログラムのパフォーマンス測定、デバッグなど、様々な目的で使用されます。
System クラスは、Javaプログラムとそれが実行されているシステムとの間のインターフェースとして機能し、システムレベルの操作を行うための重要なツールを提供します。

まとめ

  • java.langパッケージは、Javaプログラミングの基礎となる重要なクラスを含んでおり、自動的にインポートされます。
  • java.utilパッケージは、ユーティリティクラスを提供し、配列操作や日付処理などの一般的なタスクを簡素化します。
  • Mathクラスは、三角関数や指数関数などの数学的計算を容易に行うことができます。
  • Arraysクラスを使用すると、配列のソートや検索などの操作を効率的に実行できます。
  • Objectクラスはすべてのクラスのスーパークラスであり、基本的なオブジェクト操作メソッドを提供します。
  • Systemクラスは、標準入出力やシステムプロパティへのアクセスなど、システムレベルの操作を可能にします。

これらの標準クラスを適切に活用することで、より効率的で堅牢なJavaプログラムを開発することができます。各クラスの特性を理解し、適切な場面で使用することが、スキルアップの鍵となります。

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